コラム

専門職大学ってどんな学校?

2019年4月に「専門職大学/短期大学」という新しい学校制度が制定されました。
専門職大学は産業界と連携しながら、専門的なことを広く実践的に学ぶ学校です。 大学の良さと専門学校の良さをあわせ持ち、これまでにない教育方針で、今後の成長分野を見据え、高度な実践力と豊かな想像力を備えた専門職業人材を育成します。


新しいタイプの大学「専門職大学」

専門職大学の設立背景

目まぐるしく変化する社会情勢により、課題も複雑化するなかで、産業・就業構造に変化が生まれています。また少子・高齢化が進行し生産年齢人口も減少しています。

そして高等教育をめぐる状況としては、高等教育進学率の上昇する一方で、変化する産業界のニーズとのミスマッチが生まれやすい状況があります。専門学校や大学は産業競争力強化や地域創生への貢献を期待されています。

専門職大学は大学制度の中に実践的な職業教育に重点を置いた仕組みとして制度化されました。産業界との密接な連携により、今後の成長分野を見据え、変化に対応して新たなモノやサービスを創造できる高度な実践力と豊かな想像力を備えた専門職人材を育成します。

※6年制(医学、歯学、薬学(臨床)、獣医学)の課程は対象外です。


専門職大学等の教育の特徴

1.授業の3分の1以上は実習・実技
卒業に必要な単位のうち、約1/3以上は、実習・実技の授業を実施します。豊富な実習・実技を通じて、就職後に役立つ高度な「実践力」を身につけることができます。

2.理論と実践をバランスよく学べる
理論に精通した研究者と、各業界の現場経験豊富な実務家の両方の教員から授業を受けられます。また、原則40人以下の少人数で授業が実施されます。

3.超・長期の企業内実習で現場を体験できる
実際の現場で知識と技術を学び、問題解決できる思考力も養うため、学外の企業等の現場での実践的な実習(臨地実務実習)は、通算600時間以上(4年制の場合)を設定しています。 1日あたり8時間、週5日で実習を行った場合、3~4ヶ月(15週間)が学外実習期間となります。

4.他分野も学べ、応用力が身に付く
職業専門科目だけではなく、基礎科目、総合科目、展開科目などひとつの専門にとどまらない学びにより、新しいアイデアを生み出せる人材、就職した業界・職業の変化をリードする人材を育成します。

5.学位が取れる
専門職大学を卒業した者に対し「学士(専門職)」の学位を、専門職短期大学を卒業した者に対し「短期大学士(専門職)」の学位を授与します。また卒業後は大学卒(短期大学卒)の人材として就職や大学院進学、留学ができます。


専門職大学等の制度の特色とは?

教育課程連携協議会の設置
産業界及び地域の関係者を中心とした「教育課程連携協議会」の設置を義務付けています。
教育課程の編成方針において最新の産業界の動向や地域社会の意見を取り入れられる仕組みとして導入されています。

(1)学長が指名する教員その他の職員

(2)当該専門職大学等の課程に係る職業に就いている者又は当該職業に関連する事業を行う者による団体のうち、広範囲の地域で活動するものの関係者であって、当該職業の実務に関し豊富な経験を有するもの

(3)地方公共団体の職員、地域の事業者による団体の関係者その他の地域の関係者

(4)臨地実務実習(専門職大学設置基準第二十九条第一項第四号及び専門職短期大学設置基準第二十六条第一項第四号に規定する臨地実務実習をいう。)その他の授業科目の開設又は授業の実施において当該専門職大学等と協力する事業者

(5)当該専門職大学等の教員その他の職員以外の者であって学長が必要と認めるもの

専門職大学設置基準より抜粋

修業年限
専門職大学は4年制課程、専門職短期大学は2年制又は3年制課程で設定されています。さらに、専門職大学は前期課程及び後期課程の区分制課程も導入可能です。これにより、前期課程修了後一旦就職してから後期課程へ再入学する、社会人が学び直しのために後期課程から編入学するなど、多様な学習スタイルを選択できるようになりました。

*修業年限の通算も可能
社会人の学び直しを推進するため、実務の経験を有する者が専門職大学等に入学する場合に、当該入学者の実務経験を通じた能力習得を勘案して、一定期間を修業年限に通算可能です。

入学者の受入れ
高等学校(専門学科・普通科)卒業後の学生、社会人学生、編入学生など、多様な学生を積極的に受入れています。入学者選抜では実務経験や保有資格、技能検定での成績等を積極的に考慮し、意欲・能力・適性等を多面的・総合的に評価しています。
専門職大学では実務の経験を有する者、その他の入学者の多様性の確保に配慮した入学者選抜を行うことを努力義務化しており、職業教育に重点を置き、社会人の受入れも主要な機能としています。

認証評価
大学体型に組み込まれたことにより、認証評価が必要となりました。その認証評価においては、「専門分野の特性に応じたいわゆる分野別評価を行います」と定められています。
7年以内ごとに機関別評価(認証評価機関による第三者評価)を実施。大学等の教育研究、組織運営及び施設設備の総合的な状況について評価します。
また、専門職大学・専門職短期大学の評価として5年以内ごとに分野別評価を実施し、専門分野の特性に応じた教育課程、教員組織その他教育研究活動の状況について評価します。


専門学校とは何が違うの?

専門学校の場合、資格取得を目指すための実習あるいは職種に応じた知識と技術の習得を目指してカリキュラムが組まれています。

一方専門職大学ではそういった専門知識や技術の習得に加えて、企業や施設などでインターンシップをするなど、実際に働きながら知識や技術を磨き上げる実習が充実しています。また実務的なスキルの向上だけではなく、マネジメントや新規事業の立ち上げに大切な視点を学ぶなど、専門性の高い知識を実社会で幅広く活用できるような力を養うカリキュラムを実施しています。

専門職大学は専門学校、大学とも異なる学校です。教育の目的や実施内容だけではなく、修行年数、取得できる学位・称号など、制度面でも違いがあります。

専門学校運営の実績をもとに専門職大学・専門職短期大学を設置した学校法人様もいらっしゃいます。今後、産業界と連携した特徴あるカリキュラムの成果に期待と注目が集まっています。
専門学校や専門職大学との連携についてご興味のある方はぜひビーアライブへお問い合わせください。

関連アイテムはまだありません。

お問い合わせ

まずはお気軽に
お問い合わせください!